芸術はすばらしい 2
堀さんは中原悌二郎や戸張孤雁と並ぶ具象派の作家で、当時の日展でも活躍していた人。
そんな人の作品でも展覧会が終わるとアトリエの片隅にしまいこまれているのを知った渡辺さんはハッとする。
彫刻家は作品の常設展示できる舞台を求めていたのであった。
江戸時代に創建された長泉院は僧侶を養成する学問所にもなっていたので、中目黒の住宅街にありながら広い敷地をもっていた。
そこで渡辺さんは一九七八年ごろから、お寺の庭を野外の彫刻展示場にすることを思いたった。
ついで屋内展示用の美術館も作り、渡辺さんの収集した大小の作品を展示している。
大作とその原型になったひな型も合わせて展示しているのが興味深い。
しかも入場は無料である。
「宗教法人長泉院の教化事業の一つとして開館した美術館なので、お金はいただきません」とのこと。
日当たりのよい三つの野外展示場は階段でつながり、抽象、具象の大きな作品のバックは、サンゴ樹の高い青垣が周辺のマンションをさえぎっている。