魅せられて 2
絵のテーマが決まると画家たちは、下町の風物を写真に収めたり、古い浅草を知る古老を訪ねたりと、まず取材から始まった。
下絵にとりかかってから地元の人たちは、何回か研究室に行って制作風景を見せてもらった。
そんな中で、古い所作をよく知っている老人は「先生、拍子木を持つ手が違ってるよ」などと、遠慮なく指摘することがあったが、平山先生は、いつでも「ああ、そうですか」と言い、次に行ってみると、ちゃんと直してあった。
こうして四巻の、二十分の一の元絵ができ上がった。
シャッター絵は巣鴨の地蔵通り商店街にもあるが、こちらは旧中山道沿いの街にちなんで「浮世絵・木曽六十九次」のうちの五十点が描かれている。